現役経理のヒロタカです。僕は、経理職は定期的に転職活動を行ったほうが良い、と思っています。
経理職は、社内で黙々と仕事をする事が多く、社外の人と交流することもありません。自分の持っているスキルや経験が、どれだけ市場で価値があるのかを分かってない事が多いです。それでいて何もしないで、今の会社で不満を持ちながら働いている人が大勢いると思います。
数年前に、転職活動をしたことがあります。エージェントと面談をして、案件も幾つか紹介してもらいましたが、今の会社に留まることが自分にとって最善だと判断しました。
自分のスキルや経験が社会で求められている、というのが実感出来た事は、大きな自信になりました。転職活動をしたことは、僕の中でポジティブな経験として生きています。
複数の転職エージェントと面談したことで、自分が転職したかった本当の理由は、人間関係の辛さよりも、漠然とした将来への不安だということを、自覚することが出来ました。
エージェントと面談するうちに、社会人になってたった数年足らずで、どれだけ自分が会社に染まってしまい、世間知らずになっていたのかが分かりました。
また、一度転職活動をしていると、いざとなれば転職すれば良いや、という余裕が出来ます。転職活動は、普段は意識しづらい自分のキャリアを見直すことが出来る、
またとないチャンスです。
経理職で今の仕事に不満のある人、今よりもよいキャリアを積みたいと考えている人は、ぜひ一度これらのエージェントが運営している求人サービスに登録して、経理職の需要がどうなっているのか、そして自分は本当はどれくらいの市場価値があるのかを確認してみて頂ければと思います。
経理職は、実は売り手市場
オックスフォード大学のオズボーン教授による、702の職業について調べた”機械に奪われる仕事”についての論文は有名です。また、同論文を元にしたダイヤモンド社発表のデータでは、”なくなる仕事”として会計士が2位とされていました。
一方で、今現在の経理・財務職への人材需要は増加しています。DODAの出している転職市場予測(2017/下)でも、人事・経理・法務などのバックオフィスの需要は増加する見込みとなっています。
転職市場予測 2017下半期 人事・経理・法務 |転職ならDODA(デューダ)
これは、経営統合やグローバル化によって、経営と直結するバックオフィスの人材を強化したいというニーズが増えてきているからです。経理にはIPOやIFRS対策など、一昔前の“デスクワーク”のイメージを凌駕する、ダイナミックな仕事を任せられる人材に対するニーズが高まっています。
同時に、今後の経理職は、転職において高いスキルを求められます。独立行政法人 労働政策研究・研修機構による「転職市場における人材ビジネスの展開」にも、経理法務と言ったバックオフィスの転職には、スペックが求めれるようになるという予測が書かれています。
労働政策研究報告書No.175 「転職市場における人材ビジネスの展開」|労働政策研究・研修機構(JILPT)
経理職などのバックオフィスは、全体的な需要はありながらも、高い能力が求められるようになります。1つの会社で、黙々と働いた結果、いざ転職する必要に迫られた時に、市場評価の低い仕事しかできない人材になっていたら、目も当てられません。
自分のスペックを把握して、それがどれだけの市場価値があるのか、自分を投資対象の用に眺めて、常にROIを高める努力を怠らないようにしましょう。
転職エージェントとはどんな存在?
まずは、転職エージェントとは何かについて説明します。
結論を先に話しますと、転職エージェントは、あなたの転職活動に関わる面倒な雑務を無料ですべて代行してくれる職業です。あなたが独力で、転職活動をすることも可能ですが、転職エージェントを使わない転職活動は、非常に不利になります。基本的には、エージェントを活用することを推奨します。
転職エージェントは、あなたがエージェントサイトに登録すると、無料で転職活動をサポートしてくれる人のことです。エントリーシートの書き方の相談、求人情報の紹介、面接のセッティングや企業との給与交渉までなんでもやってくれる、まるでアイドルのマネージャーのような存在です。
なぜ、無料でここまでやってくれるかというと、エージェントはあなたが入社する企業から、あなたが企業に入社することで報酬を受け取れるからです。
逆に言うと、エージェントを介さない場合は、求人情報の検索から面接日程のセッティングまですべてを個人でこなさないと行けません。なるべく活用したほうが、無理のない転職活動が出来ることでしょう。
エージェントに登録する5つのメリット
転職エージェントは、無料であなたのサポートをしてくれるありがたい存在です。だからといって、エージェントに任せっきりにしてしまい、上手くコミュニケーションが取れないと、見当違いの案件を紹介されてしまったりと、まったく逆効果になることもあります。
エージェントのメリットは以下のとおりです。
1.あなたの転職活動をすべてサポートしてくれる
あなたの要望に沿った案件の紹介から面接日程のセッティング、給与交渉まで、あなたが転職活動で面倒だと思う仕事を、すべて代行してくれます。
転職活動中は、なにかと焦りがちで、モチベーションを維持するのも大変です。
エージェントが細々とした雑務を引き受けてくれれば、あなたは自分の希望する企業に採用されることだけに集中することが出来ます。
2.あなたのキャリア相談などに乗ってくれる
自分のキャリアについてなど、ナイーブな問題は、なかなか他人に話す機会がありません。エージェントとの面談では、そういう相談が出来る、又とない機会です。
自分のキャリアを見直せるというのは、おなじ会社で働いているだけでは出来ない貴重な経験です。転職をするしないに関わらず、エージェントとキャリア相談をするだけでも、転職活動をする価値があると言ってもいいでしょう。
3.あなたに代わって、企業にアピールしてくれる
転職エージェントは、常に企業の人事担当者と連絡をとっており、面接の場だけでは伝えきれない、あなたのスキルや魅力を、人事にプッシュしてくれています。
正しくエージェントを活用することで、面接の場以外でも、あなたはあなたのスキルや魅力をアピールすることが出来ます。
面接がちょっとうまく行かなかったぐらいでは、まったく心配する必要はありません。
4.あなたに非公開求人情報を教えてくれる
企業の採用側も、転職エージェントを介して採用活動をすることが一般的です。その為、一般には求人情報を非公開にしている企業もあります。
転職エージェントでは、そういった非公開求人情報をあなたに紹介してくれます。
これは、「雇った人がすぐに辞めた」「活躍しない」といったリスクを避けるためです。個人応募の素性のよくわからない方を採用するより、転職エージェントのお墨付きがあって安全な方を採用したいと企業側も考えるからです。
5.すべてを無料で行ってくれる。
転職エージェントでは、これだけの手厚いサポートを、すべて無料で受けることが出来ます。
まるで予備校の進路相談から個別学習まで、すべてを無料で受けている特待生のような状態です。
おすすめ転職エージェントTOP5
それでは、ここさえ登録しておけば間違いない!という転職エージェントを紹介していきます。
リクルートエージェント-業界最多の求人案件
『リクルートエージェント』は、業界最大手の転職エージェントです。そして、経理の求人数も他者と比較して圧倒的な強みを持っています。
最大手の転職エージェントなので、リクルートエージェントの動きがエージェント業界のスタンダードと考えて良いでしょう。
採用活動をしたい企業は、まずはじめにリクルートエージェントに相談すると考えて間違いないです。その為、リクルートエージェントは、非公開案件を最も揃えていると考えて間違いありません。
転職を考えるのならば、まず真っ先に登録しておくべきエージェントになります。
DODA-エージェントのサポートが手厚い
どこのエージェントもあなたのことを考えて一生懸命サポートしてくれます。中でも、『DODA』はサポートの手厚さで高い評価を受けてします。
しっかりとした面談を行った上で、あなたに最適だと思う案件を紹介してくれます。求人案件の数を絞ってくるので、他のエージェントとくらべて数が少なくなりますが、それはまさにあなた専用の求人リストとなることでしょう。、
JACリクルートメント-外資系・ハイキャリア向けのエージェント
『JACリクルートメント』は、ロンドン発祥の日系転職エージェントです。英国とアジア9カ国に広がる独自のグローバルネットワークにより、企業との強固な信頼関係を築いています。
外資系の案件の多さに加えて、エージェントによるキャリア棚卸など、職務経歴書の作成ポイントにもなるキャリアプラン構築に一定の評価があります。エージェントと相談する中で、あなたの転職を通じだキャリアアップが、より一層明確になることでしょう。
ジャスネットキャリア-会計、経理、財務に特化した転職エージェント
『ジャスネットキャリア』経理関係に特化した転職エージェントです。経理会計に特化することで、サービスの専門性が高まり、情報が効率的に集まるメリットがあります。公認会計士、税理士、経理担当者向けの求人情報が充実しています。
会計、税務、経理・財務分野に特化していることで、エージェントも専門知識を多く身に着けたスペシャリストになっています。これは、一般のエージェントにはない強力な武器と言えます。
MS-JAPAN-管理部門に特化したエージェント集団
『MS-JAPAN』は、大手監査法人、会計事務所、ベンチャーキャピタルとのネットワークをもち、関東・東海・関西の主要都市を中心に幅広いフィールドの求人情報があり、その数は業界トップクラスです。
ジャスネットキャリアと業界が似ていますが、MS-JAPANの方は管理部門特化となっており、より守備範囲を広くしています。今まで経理だったけど、企画などの別の職種も検討してみたい人は、MS-JAPANも検討してみるといいでしょう。
さいごに、もっと気楽に転職活動をしましょう
転職活動と聞くと、すぐに「辞めるの?」とか「逃げ出すの?」とか言ってくる人がいますが、そんな考え方や批判は時代遅れになってきています。
近い将来、企業の寿命が短くなって、定年雇用制度は崩壊し、雇用の流動性は確実に上がります。あなたが転職ないし独立するという決断を迫られる日が、必ず来ます。
いつか来ることが分かっているのなら、事前に準備しておくのは、当然のことでしょう。
むしろ、同じ会社に定年までいられる可能性の方は、かなり低いと見ていいでしょう。定年までひとつの会社で働けると考えて、転職する人をまるで裏切り者のように扱う人がいますが、かなり無知で甘い考えだと僕は思います。
会社に自分の人生を預けるのは、まるで、生卵を1つのかごに限界まで盛り付けるような、かなりリスキーな選択になります。
転職活動をしたって、必ず転職しなければならないわけではありません。転職活動をして、自分の市場価値を知る、いざ転職するときのために備えておく。それだけでも、何もしないで脳天気に過ごしている人に比べて、確実に一歩、先に進んでいます。
これからの会社は、社員を守ってはくれません。社員の人生に、責任を持ってはくれません。あなたの人生は、あなたがデザインするのです。自分のちからで、自分の将来を切り開いていきましょう。