ひとつでは少なすぎる。

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東証一部上場企業で経理をやっている僕が考える経理部員のやりがい

新卒で本社経理に配属されてから10年と少し経ちますが、今までずっと経理関係の仕事をしています。

 

本社で連結決算や開示業務、連結納税などをやった後は、事業会社に異動して月次決算や予算を作成しています。経理業務を一通りしてみて、経理のやりがいや面白さなども理解できたと思っています。

 

経理というと、簿記の知識が必要でずっと数値と向かい合っていないといけないなど、小難しい印象があるかもしれません。ですが経理の本当の仕事はそんなところにはありません。

 

経理は会社の業績を株主に示すという仕事柄ほかの部署と比べて株主に一番近い位置にいます。お宅の会社は今年はどんな感じですかと聞かれて、パッと答えられることができるのは経理だけです。

 

 

経理の本質(やりがい)は、株主などの外部の人に会社の業績を適切にわかりやすく説明するサービス精神だと僕は思っています。

 

自分の会社のことをよく知り、それを外部の人によく説明できる。会社のことを一番理解しているのは、どこの部署よりも経理であると僕は思っています。

 

会社のことを一番よく知れる。

経理が会社を辞めたら、その会社は危ないとよく言われます。それぐらい経理は会社のことをよく知っているということです。それは株主や経営者に対して、会社の業績を報告するという業務が経理の主な仕事だからでもあります。

 

経理というと伝票を切ったり、支払いをしたりという印象が強いかもしれませんが、それは経理の本当の仕事ではありません。最近ではそれらの単純業務はコンピュータによって自動化されており、伝票を切っていればで経理部員でいられる、というような状態ではなくなっています。

 

もちろん会計簿記伝票といった概念は無くなりませんが、伝票を切ってそれで終わりではありません。

 

伝票を通して会社の業績を数字に落とし込む。それを適切に経営者や株主に報告する。どうすれば今以上に会社が良くなるのかを分析する。集計ー分析-報告という業務こそが、経理の本質かつやりがいのある面白いところであると、僕は考えています。

 

投資家や経営者の目線で会社を考えられる

会社の業績を、経営者や株主に報告するのが経緯を仕事です。そのため、どうすれば会社のことをよく知ってもらえるのかを日々考えています。

 

営業は頻繁に外に出て取引相手と合っています。一方で経理は会社の中でパソコン仕事ばっかりしています。一見、営業は外向きで経理は内向きの仕事だと考えるかもしれませんが、そうではありません。

 

経理もきちんと外を向いて仕事をしています。営業は、取引先相手に自社の製品やサービスをアピールします。一方の経理は株主や投資家に対して、会社の業績や成長性をアピールします。

 

そのため、経理は自然と投資家や経営者の目線で会社を見るようになります。経理部員は一番会社のことを理解しながらも、1歩引いた目線で冷静に会社のことを考える事ができます。

 

投資家を満足させるサービス精神

経理の本質はサービス業だと僕は思っています。経営者が株主に説明したい自社の良いところや、これからの長期的な経営戦略などを、わかりやすく数字で示す。投資家や株主が欲しい会社の情報を、わかりやすく提供する。

 

一部の経理の人には、こういったサービスするという目線が欠けているのではないかと、僕は思っています。だからこそ、数字ばかり見て人を見ないと言うレッテルが経理部員に貼られるのではないでしょうか。

 

単に自分が知っていればいいというわけではなく、人に分かりやすく説明する必要が、経理部員にはあると考えています。そのためどうすれば人にわかりやすく説明できるだろうかという人にうまく伝えようとするサービス精神が経理には必要です。

 

経理にこそコミュニケーション力が必要

伝票を起票し、それを集計しているだけではただの業務でしかありません。経理業務の本質は、会社の業績を外部に分かりやすく知らせるということだと、僕は思っています。

 

伝票を集計した先に出てきた会社の業績をわかりやすく外部に伝える。どうすればもっと会社の業績を改善できるのかを考える。これが経理の仕事の本質で、やりがいのある部分だと思います。

 

そのためには、会社を知る努力、会社のよさを伝える努力が必要です。経理に一番必要な能力とは、簿記の知識やパソコンを上手く使えるなどではなく、コミュニケーション能力だと僕は思っています。

 

ここで言うコミュニケーション能力とは、人と楽しく会話をするということではありません。人の話をよく聞いて理解する粘り強く人に説明をすることができる、そういった愚直な誠実さが経理に求められるコミュニケーション能力です。

 

愚直なコミュニケーションを通じて、会社と経営者と投資家を結びつける。それこそが経理のやりがいだと僕は思っています。