朝礼や歓送迎会の始まりの挨拶など、会社で働いていると割と人前で話すことがあります こういう時に、朝礼のネタに困らないネタ本みたいなのを頼りにする人いますけど。これ全くの無駄です。
人前で話すのが上手い人と下手な人って、結構明確に分かれてますよね。事前にキチンと紙に話す内容を書いていたのに、人前で話すと、どうにも反応が良くない人もいれば、逆に、何にも考えずにその場の勢いだけで話し始めても、場を盛り上がらせて、部下のモチベーションを上げられる人もいます。
実は、両者の話した内容を文章に起こしたら、両方共受ける印象に差はないでしょう。違うのは話し方なんです。
文章を書くときのコツに、話すように書く、と言うのがあります。じゃあ逆に書くように話せば良いのかというと、それでは絶対に受けません 。あんなのは上級者だけが出来るテクニックで、ほとんどの人には意味がありません。
話すときと書くとき。それぞれには、明確な作法の違いがあります。それを知っている、もしくは無意識に実践しているかどうかで、同じ内容を話したとしても、聞く人の反応が全然違います。
覚えておきたいのは2つ。
ネタ本の受け売り話は絶対に受けない。
ひとは、そんなに頭が良くない。
以上
主観的に話す
人は社会情勢とかよりも 自分の給料が上がるか下がるかの方が大事なんです。 客観よりも主観が大事。主観的に話す、これが人前でうまく話すときの第一のポイントです。
理路整然よりも共感が大事
日経平均が24,000円を突破したよりも、 昨日の社食の唐揚げ定食が美味かった、 の方が朝礼なんかでは正解です。
どれだけ話す人が大事なことだと思っていても、話を聞いてくれる人に、それは大事なことなんだと、理解してもらえなければ意味がありません。
身近な話題から、会社の経営などの大きな話題に転換出来るのが理想ですが、 まずは話を聞いてもらうこと、耳を傾けてもらうこと、そして共感してもらうことが第一歩。初めはそれさえできればOK。その場合は、内容なんて何でもいいんです。
まずは、聞いてる人が聞いていて実感できる共感できる内容を話してみましょう。
世見の景気よりも自分の給料
朝礼で話す事が、無駄なんじゃありません。話す言葉が自分の内から湧いてこないような状態では、何を話しても意味がないんです。
年始の挨拶で、世界情勢がどうとかとか枕にする人がいますけど、まあ聞いている側からすると何をしゃべりたいのかわからないですよ。それよりも今年の給料は、何パーセント上がりそうとか、どこの工場の建て替えで何十億突っ込んだとか、大口の契約に期待があるとか、そういう話の方が盛り上がると思いませんか。
昔、こち亀でフランス料理特集よりもラーメン特集の方が、人に求められている、てセリフがあった気がしますが、まさにその通りで、身近で実感できるものじゃないと、人は食いついてこないんですよ。
話す内容を1つに絞る
事前に紙に書いておくと、理路整然と話題がつながっていくんですよね。世界経済の話から、自社の経営状態につながって、そこからますます発展にするにはどこどこ部門はこうで、なになに社はこうしろ。みたいな。
これって紙に書いてあると、すごいよくまとまってるなーって思うんですけど、実際は悪手なんです。
ひとはそんなに頭が良くない
人間って 一度に 覚えてられることは三つぐらいなんですよ。
なので人に話す時には、いくつもの話題を転々とするっていうのは、どれだけ上手く話しても聞く側が理解できなくなるので、やめたほうがいいです。
喋る側からすると紙に書いてある内容をすらすら喋ってるから、いい気分かもしれません。けど 、聞いてる側からするとちんぷんかんぷんなんです。人はそんなに情報をすぐには処理できない。
書くと話すは違う
特に前に紙に書いてあるっていうの問題で、 人間が情報を受ける場合に 目から受ける情報が大体8割なんですよ。そうすると、耳から受ける情報っていうのは、全体の2割以下しかないわけなんです。
話す人は内容が書いてある紙を見て喋っている。 聞いてる人は、話している人の言葉を耳で聞いてるんです。
ざっくり考えても情報量に4倍以上の差がついているわけです。情報の受け取れる量に差がありすぎるんですよ。話している人が自分でうまくやったなって思ってるほど、聞いている人が盛り上がってくれないのは、その受け取れる情報量のずれが原因です。
同じにするなら、内容の書いてある紙をみんなに配るしか無い。でもそうしたら、人前で話す意味がなくなっちゃいますよね。
居酒屋で話すような感じで
居酒屋で話す時って、同じ話を延々としてる事ってありませんか。言葉を変えたり言い回しを変えたりするけど結局同じ内容を2時間ぐらい延々と喋っていたり。実は、人前で話す場合は、あれが正解なんです。 同じ内容の事を、言い方を変え言葉を変えて、何度も言う 。
人が一度に聞いて覚えることなんて、せいぜい一つよくて二つ。人前で話す時に大事なのは、たくさんの情報を詰め込むことではなくて、あなたの伝えたい一番大事だと思うエッセンスを、色々な言葉で 伝えきることなんです。
どうしても複数なった時の対策
基本的には人前で話す時には 一つの話題 に絞るのが成功する 大前提です 。それでもどうしても 複数のことが話したい場合には こういった対策があります
ポイントを予め言っておく
話がどんどんと展開していってしまうから 聞く人の 頭の中で 迷路の中に迷ったみたいになっちゃうんですよね。
なので、予め地図を渡しておきましょう。自分が今日話す内容は何個あって、それぞれこういうことをしゃべります。そういった予習を先に済ませておけば、聞く人もあなたの言葉を 理解しやすくなります。
キーワードで話題を統一する
複数の話題があると思っていた人も、よくよく考えると、本当は一つの話題に統一できたのではないですか。
A というテーマがあって Bというテーマがある。でも実は、これはCという共通のテーマがあった。
例えば『ワークライフバランス』というテーマと、『女性の社会進出』というテーマがある。それぞれ別個のテーマになりそうですがこれを『ジェンダーレス』という言葉で括ってしまえば、 ひとつにテーマにできるとは思いませんか。(上手くないたとえかもしれません)
Aー ワークライフバランス
Bー 女性の社会進出
を、
Cージェンダーレス
C-1.ワークライフバランス
C-2.女性の社会進出
という風に まとめることができれば、聞く側も理解しやすくなります。
話下手な人ほど、伸びる
適当に喋って 場を盛り上げたり 部下のモチベーションを上げられたりするのは たしかに素晴らしい能力ですが、 話す内容が練られたものであれば、なおよしなのは間違いありません。
自分の話ベタを嘆いてる人がいますが、これはテクニックさえ覚えれば、簡単に克服できるところです。 話下手のひとほと、逆に話す内容を練る癖があるので後は伝えるテクニック覚えるだけ。きちんと伝えることができれば、部下からの評判も、上司からの評価も上がること間違いなしでしょう。
内容としては、
・主観的に話す
・共感し合える内容にする
・話す内容は1つに絞る
これはまずは実践してみましょう。 紙に書いてみてもいいです。話すときは、紙に書くときよりも IQ を20下げるぐらいの気持ちが良いかもしれません。