同じ仕事をやっても、すぐに一人前に出来る人と、何年やっても、半人前止まりの人がいます。
よくよく考えて見ると、出来る人にはできる人なりの特徴があって、それを実行している人は、間違いなく仕事を覚える速度が、そうでない人よりも格段に速いのです。
新しいことを吸収して自分のものとする力。いわゆるキャッチアップ力の強い人が、これからのビジネスでは求められます。
なんでもメモをとる
人間は忘れる生き物です。引き継ぎで教わった時は、覚えたつもりになったのに、いざ自分ひとりでやろうとすると忘れている。
引き継ぎの際には、よくあるパターンです。人間なので、忘れてしまう事自体は、しょうがありませんが、何にも対策を取らないのは、自分にも教えてくれた先輩にも失礼です。
仕事のキーワードや思ったことをメモしておくと、たとえ忘れても思い出すことが出来ます。自分の手帳でも引継書でもなんでもOKですが、教わりながらメモを取るということが大事です。
2ヶ月で理解すると意気込む
仕事は、覚え初めの2ヶ月でどれだけ理解できるかで、後の仕事に差が出ます。
残業を推奨する気はありませんが、理解できないまま、流してしまうのは良くありません。仕事をする上で理解できない部分や、不思議に思う部分が出てきたら、忘れずに解決しましょう。
ポイントは、短期間で理解することです。理想としては、2ヶ月で前任者並に仕事が出来るようになりましょう。
改善点を思いつく
仕事を教わっている時や、一人で恐る恐るやっている時に、ふと浮かび上がるアイディアは大事な金の卵です。忘れずにメモしておきましょう。
自分の持っているスキルと今覚えかけの知識が、あなたの頭のなかでミックスして、仕事を進歩させるためのアイディアが生まれようとしているのです。
アイディアが浮かんで来るということは、仕事をよく理解してきている証拠であり、またあなたが仕事をより良くしたいという、ポジティブな姿勢で仕事に望んでいる証拠でもあります。
最初は真似る
アイディアの卵を孵化させるには、温める期間が必要です。すぐに実行しようとすると、割れてしまったり上手く行かなかったりします。
経験を軽視しては行けません。今の仕事と仕事のやり方は、前任者、前前任者と引き継がれた中で、出来上がった手順です。一見、理解できない仕事があったとしても、やってみると「そうだったのか!」と理解できる部分が必ずあります。
そういった経験知から生まれて、時の経過とともに洗練されてきた、その仕事の本質を理解するまで、生まれたアイディアは、ゆっくりと温めておきましょう。
アイディアを忘れずに温めていくと、より理解を深めた仕事の知識と組み合わさって、より素晴らしいアイディアとなって孵化することでしょう。
自分に合うように作り変える
真似ながら理解した仕事と自分の中の改善のアイディアが十分に熟成したら、自分に合うように仕事を変えていく時です。
手順の変更による簡略化、他の資料への展開、システム化・外部委託による自動処理など様々なアイディがあることでしょう。その仕事の本質を活かしつつも、より洗練された仕事に作り変えていくのです。
前任者と同じように仕事をすることは、実はあなたの仕事ではありません。あなたに託された仕事は、前任者の仕事をより進歩させることです。より簡単に、より効果的に仕事をブラッシュアップしていきましょう。
最後に、好奇心を持った人が会社を良くする
キャッチアップ力の強い人は、新しい仕事だからと言って抵抗感を持ちません。逆に好奇心を持って、ポジティブに仕事に向かいます。その結果、仕事のレベルや標準化が進んでいきます。
近年の大手メーカーの偽装問題は、仕事が昔のまま属人化していた弊害です。形式知化とルーティンが社内で上手く回っていれさえすれば、偽装問題など起こりようもありません。
仕事の形式知化(仕事を属人化させずに、誰にでも出来る知識にする)は、どの会社でも喫緊の課題です。形式知化して、誰もが同じレベルで仕事の成果を出来るようになれば、会社は仕事を属人化させずに、不正行為を起こさせないようにすることが出来ます。
1.教わる際には、メモを取って覚える
2.短期間で理解する意気込みを持つ
3.覚える過程で、改善のアイディアを生み出す
4.はじめは前任者を真似て仕事の本質を理解する
5.自分の力で、仕事に付加価値を生み出す
みながみな、高いレベルで1~5を実行できれば、仕事の質は上がり続けます。仕事の属人化なども起こらなくなります。
最終目的は、5.の<仕事に付加価値を生み出す>ことですが、それに至るまでには、1.~4.までのステップが不可欠です。
地道なようですが、仕事の本質を理解しつつ、今の仕事をよりよく改善する最短のステップになっています。