仕事中に間違いを指摘されて「やっちまったー!」という体験がない人はいないと思います。特に経理財務は、「ミスが許されない」と考えれれている部署なので上司から厳しいお言葉をもらうこともしばしば。
人間ですから、ミスを完全に無くすことは出来ません。仕事に習熟するともに、発生する確率は下がりますが、まったくのゼロになることはないでしょう。
ですが、それにあぐらをかいていつまでもミスを続けていると、あいつはよく間違えるやつ、という評価を受けてしまい、上司や同僚からの信頼を失います。
むかし、僕も大きなミスをしてしまい、その時の上司から大目玉を食らったことがあります。
失った信頼を取り戻す事は容易ではありません。信頼を失わないためには、極力ミスをしない。また、もしミスが発生してしまったとしても、次はそのミスを起こさないようにする事が、信頼を失わないための心がけです。
心掛けよりも仕組みでミスを防ぐ
どうすればケアレスミスを防ぐことが出来るでしょうか。「ミスをしないように気をつけて仕事をする」という心がけも大事ですが、先に書いたように、我々は機械ではないので、絶対にミスをしないなんてことはありえません。
ミスのない完璧な仕事をする上で「集中して仕事をする」事は大事ですが、それと同じぐらいに大事なのが、
「ミスが起こらないような構造に、仕事のやり方を変える」
ことです。
伝票の間違いや、プレゼン資料の数字の誤りなど、仕事をする上で事務ミス・ケアレスミスは常に付きまとうリスクです。仕事の成果が、人の能力やその時の集中度によって左右されるようなことは止めて、だれがやっても同じように間違えずに出来る、そんな構造に変えることが、ミスをしない仕事術だと言えるでしょう。
コツ1.検算機能で、間違いを見過ごさない
エクセルなどを使った資料作りの際は、入力した内容が誤ってないかどうかを確認できる、検算機能を設けましょう。例えば、売上データをまとめる際に、得意先別の売上とは別に、製品別や地域別の売上データも同時に入力します。
切り出し方が違うだけで、それぞれの売上の合計額は一致します。もし合計が合わなければ入力した数字を間違えていることになるので、すぐに直すことが出来ます。検算機能を付けることで、ミスを見逃さなくなります。
また、 PL の対予算増減などの比較資料を作成する際には、 逆算で数字が正しさを検証することができます。たとえば、実績 予算 対予算の順でPLが並んでいたとして、
対予算=実績-予算
で、対予算を作成しますが、同時に、
予算=対予算+ 実績
と検算式を組んでおくことで、計算の誤りが無いことが検証できます。
コツ2.手入力を止めて、ミスの発生を無くす
パソコン作業の場合は、入力作業中の誤入力によって、ケアレスミスが発生しやすいといえるでしょう。そのため、手作業による入力作業を極力減らすことが、ミスを発生させない仕組み作りだと言えるでしょう。
例えば、社内システムなどから出したデータを利用して、Excelで決算書を作るなどの作業がある場合、社内システムとExcelファイル間のデータ受け渡しが手動になっている場合は、次のような工程になると思います。
・システムから必要なデータを印刷する。
→印刷した内容をExcelファイルなどに手入力する。
→入力した内容で 決算書などを作成する。
この3つの工程で、手作業になっている部分(印刷した内容をExcelファイルなどに手入力する。)が ミスを生みやすい箇所となります。手作業の部分を無くすと、次のような工程になります。
・システムからexcel 形式でデータを出力する。
→Excelファイルにコピー&ペーストする。
→貼り付けた内容を、事前に組んでいた関数などで展開し決算書を作成する。
手作業部分が、データのコピー&ペーストだけになるので、事前に組んだ展開式が間違っていない限りはミスが発生しない構造になります。もし余裕があれば、システムから直接決算書を作成できるようにすることも出来るでしょう。
コツ3.集中して仕事ができる環境を作る
「集中して仕事をする」ことはすごく大事な心がけですが、かと言って気持ちだけで出来ることはたかが知れています。集中するといっても、電話がひっきりなしに掛かってきたり、ものが散らばっているデスクでは集中することも出来ません。
集中するための環境を整えることも、ミスを無くすためのテクニックです。
たとえば、僕は、夕方に会議があるときには、昼食をおにぎり一個と味噌汁などで軽めに済ませます。自身の経験から、若干空腹なぐらいが集中力を保てる事が分かっているからです。
また、長時間集中力が必要な仕事は、何回かに分けて行います。長時間の作業をすると集中力が落ちるので、自覚的に休憩を入れることで、集中力が下がるのを防ぐのです。
さいごに、余裕をもって仕事をする
ミスをしないためには、気をつけるという心がけも大事ですが、ミスをしない構造を作ることも大切です。ケアレスミスが出やすい箇所を特定し、防ぐ仕組みを作って、ミスが発生する確率を下げる。そのための方法として、
1.自動で検算する仕組みを作って、間違いを見逃さない。
2.システム化や自動化をすすめて、手作業を排除。
3.ミスをしない為に、集中して仕事が出来るような環境づくりをする。
の3つの方法があります。また、これらの方法を実践すると、作業自体の負担も減らすことが出来て、仕事に余裕が生まれることでしょう。
あせりが、ミスを生みます。余裕があることで、ミスが無くなります。
仕事の改善を常に行い、生まれた余裕からさらなる改善を行う。生産性を高めたり負荷を下げたりするサイクルを回して、周りから信頼される仕事が出来るように頑張りましょう。