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JASRACが反発されるのは、誠実さと心配りが足りていないから

こんにちは、ヒロタカです。僕も音楽教室に通っているので、今回のJASRACと音楽教室の対立からは目が離せません。今回、JASRAC側から動きがありました。

 

 

www.nikkei.com

 日本音楽著作権協会(JASRAC)は7日、同協会が管理する著作物を音楽教室で演奏する場合に、教室が得た受講料の2.5%を徴収する使用料規定を文化庁に届け出たと発表した。2018年1月1日から実施する。


今年の2月頃に話題になった、音楽教室からの著作権料徴収問題の続報です。営利企業で行われる音楽レッスンが対象となり、レッスンの際に講師が手本を見せる行為を、「公衆に対する演奏」と定義し著作権料を徴収しようというものでした。

 

著作権料は、教室の月謝などの受講料収入の2.5%とJASRACは規定しました。月間受講料が10,000円だとすると、250円の著作権料が発生することになります。(団体レッスンの場合は、別の徴収規定があるようです。)

 

音楽教室からの反発

もちろん、音楽教室側からは、大反発を食らっています。ヤマハ音楽振興会などで結成された「音楽教育を守る会」では、5月30日に総会を開催し、今年の七月頃をめどにJASRACに対して訴訟を行う準備を行っています。

 

JASRACが文化庁に使用料規程を届け出ましたが、これによって音楽教室における演奏について、著作権法上 演奏権を行使できる利用に該当すると、文化庁に判断されたものではないと認識しています。現在、債務不存在確認訴訟について準備を進めており、その方針に変更はありません。

活動トピックス一覧 | 音楽教育を守る会

 

JASRAC対音楽教室の対立構図は、当分続くと見て良いでしょう。また、JASRACが著作権料発生の理由としている「演奏権」に関しては、調べた限りかなりグレーな部分が多く、裁判になった場合には早々に決着が付くとは思えません。

 

www.too-little.com

 

 

JASRACがどういう意図を持って、こういう行動を取っているかはわかりませんが、著作権を企業のロイヤリティや税金などと同様に考えると、あまりにもお粗末な仕事と思えてきます。

 

居丈高な態度では嫌われて当然

大雑把な著作権料の請求

JASRACの著作権料の計算では、受講料収入の総額の2.5%が著作権料になると規定しています。しかし、これでは著作権の消滅した楽曲を使用している授業に関しても著作権料を請求していることになります。

 

クラシック音楽ばかりを練習するひとも少なくはありません。

 

そういた、著作権が消滅している場合にも、著作権料を請求する。徴収された著作権料はだれのもとに行くのでしょうか。こういった不透明な徴収方法はJASRACの常套手段ですが、これが状態化していることが、JASRACが嫌われている原因の1つと考えられます。

 

企業の取引では、相手の信頼を失わないように誠実に対応することが取引を続けていく大前提です。

 

本人たちは、作詞家作曲家の権利保護を代行する正義の団体だと思っているかもしれませんが、それで居丈高に権利を主張するだけで、信頼が築けるはずがないという事にはやく気づくべきでしょう。

 

精密な徴収を行えるインフラを整えるべき

著作権料とは違いますが、税金に関しては、かなりユーザー(法人、個人)を意識して規定されています。また、法人税率の引き下げなど、日本経済の発展のために様々な施策を行っています。

 

JASRACは音楽業界発展の為の団体のはずですが、そういったユーザビリティを感じることが出来ません。

 

もちろん、ユーザーの申告漏れや間違いを正すのは徴収者としての権利ですが、いかに納付するひとが納付しやすい環境づくりをするか、ということも考える必要があるでしょう。

 

さいごに

今回は、あれだけの反発があったにも関わらず、権利の請求だけを突きつけてくるJASRACに対する反発から、書かせてもらいました。

 

音楽業界の発展はとても素晴らしいことです。それに対してはなんの文句もありません。ただ、JASRACは、人からお金を貰うということが、どれだけ大変なことなのかを理解していないように思えます。

 

特に、少ない小遣いの中からレッスン代を捻出して教室に通っている身としては、不当な徴収に関しては、反発したくなります。また、社会人としては、こんな居丈高な会社が存在し続けていることに不安を覚えてしまいます。

 

商売の基本はWin-Win。三方良しです。JASRACには、音楽を楽しんでお金を落としてくれるユーザーがいて初めて、あなた達の存在意義がある、ということを理解してもらいたい。

 

娯楽が溢れた世の中で、あえて音楽を学ぶ、ということを選んでいるひとのことを理解してもらいたい。

 

では、また。

 

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