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簿記の基本:売上と売上原価の計上の仕方

こんにちは、ヒロタカです。今回は原価について説明しようと思います。

 

 


原価とは、よく聞かれる言葉だと思います。牛丼屋だと牛丼が一番原価が高いから牛丼を頼むのが得とか、「俺のシリーズ」は飲食業界では異例の高原価率だ、などと使われえている気がします。この、原価、原価率について今回は説明してみようかと思います。

 

原価とは

原価とは、製品を一個作った時に費やした費用の事を指します。100円のペットボトルジュースを作るのにはドリンクとペットボトルが必要ですが、たとえばドリンク代が20円でペットボトル(ラベル込)で30円だとしますとペットボトルジュースの原価は20円+30円で50円となります。本来だと作業する人の人件費や電気代なども計上すると思いますが、今回は割愛します。

そうすると、ペットボトル一個が売れた場合

売上:100円、売上原価:50円

となります。

 

ちなみに、仮にペットボトルジュースを2本作ったとしても、売れたのが1本だけの場合は原価は50円のままです。会計には「費用収益対応の原則」という原則があり、費用(原価)と収益(売上)の発生するタイミングは同じでなければならないとなっているからです。

 

費用収益対応をしなかった場合、たとえば売上も原価も売っただけ作っただけ計上したとします。それで今日はジュースを10本作って5本売れた、次の日はジュースを作らなかったけど5本売れたとしますと、

 

今日:売上500円(5本×100円/本)、売上原価500円(10本×50円/本)

次の日:売上500円(5本×100円/本)、売上原価0円(0本×50円/本)

 

となってしまい、売上と費用がガチャガチャになってしまいます。これが年単位で行われると企業としての株主への損益説明が出来なくなってしまいますので、費用(原価)と収益(売上)の発生するタイミングは同じでなければならないのです。

 

費用収益対応の原則(ひようしゅうえきたいおうのげんそく、米:Matching Principle)とは、収益と費用をできる限り企業活動上の経済的因果関係に即して把握すべきであるとする、期間損益計算上の基本原則である。
企業の業績を正しく捉えるには、企業活動を反映した捉え方をしなければならない。企業は、経済的犠牲と経済的成果によって利益を生み出す組織であるから、このような組織の活動を反映させるには、企業の期間損益を両者の因果関係に即して計算する必要がある。そこで、費用収益対応の原則に基づいて企業の期間損益を計算することが要請されるのである。

費用収益対応の原則 - Wikipedia

 

 

原価率とは

原価率とは、正確には売上高原価率といい、売上高に含まれる、原価(=製造コスト)の割合の事を指します。

 

先程のペットボトルジュースを例とししますと、ペットボトルジュースが一本売れた時に100円の売上、同時にペットボトルジュース一本を作るのに費やした費用は50円
です。計算式は原価÷売上でなので、

 

50円÷100円=50%

 

となり、ペットボトルジュースの原価率は50%となります。これの裏腹となるのが粗利益率となりまして、原価率が売上高に含まれる原価(費用)の割合、これの逆と言うことは、粗利益率は売上高に含まれる利益(粗利)の割合となります。

 

原価率が低ければ低いほど逆に粗利益率は高くなり、結果としてたくさんの利益をもたらすことになります。

 

また、逆に原価率が高いということはそれだけ企業側の利益が低いことになります。このため原価率が高い=企業の利益が低い=消費者にお得であると皆が考えているのです。

 

しかし、原価率が高いからと言って企業が儲からないわけではありません。

 

「俺のシリーズ」などは原価率が高い一方で、お客の回転率をあげて利益を稼いでいます。たとえば、粗利が通常1500円のものを1,000円で売る。その代わりに1日の売れる個数が2倍になればどうでしょう。粗利は1,500円から2,000円(1,000円×2個)になります。

 

粗利益率を下げたにも関わらず、1日の粗利益は増加するのです。

 

流行りの高原価をうたう店舗や商品は、こういった何かしかの収益モデルと考えて高原価を設定しています。

 

原価は収益を考える上で一番重要ですが、原価だけにとらわれない見方を養うのも重要でしょう。