年始の抱負なんかがあるように、年末が近づいてくると、来年はもっと良い年にしようと、だいたいの人は思います。
目標を持つのはけっこうなことですが、その目標を達成するためには、抱負を言うだけではダメでしょう。
「変わる」ために必要なのは、「住む場所、時間の使い方、人間関係」を変えることで、「決心すること」は不要だと、経営コンサルタントの、大前研一氏は言います。
「変わろう」という決意では「変われない」
決意の無駄打ちをしないで、自分を変えるにはどうしたらいいか。私が昔から使っている簡単な方法が3つある。時間配分を変えること。住む場所を変えること。そして付き合う人を変えることである。
http://president.jp/articles/-/17083
大前研一氏のこの発言は有名です。人が変わるためには、外部の力を借りたほうが確実だという話。
ひとは慣習に縛られていて、変わろうと思ったらその慣習を打ち破らないといけない。でも、日々の慣習や外圧があなたを縛り付けてしまい、あなたが変わることを防ごうとします。
慣習が、あなたが変わるのを拒む
例えば、 あなたが明日から禁煙しようと決意する。タバコを捨てて、会社に行く。会社で同僚から喫煙室へ行こうと誘われる。そこであなたは煙草を止められるだろうか。
煙草は禁煙が認知されているからまだ受け入れられるかもしれない。ただ、それが 低炭水化物ダイエットだったり、 禁酒だったり、毎日のジョギングしたらどうだろうか。
飲み会に誘われてたら、同僚や先輩からヒンシュクを買うことを恐れて、ついついお酒を飲んでしまわないだろうか。酒を飲んで、〆のラーメンを食べて、帰ったらジョギングすることも出来ずに寝てしまう。
「時間の使い方、住む所、人間関係」は、あなたを縛りつけるものになりかねません。逆に言えば、これらを変えることさえ出来れば、あなたは変わることが出来ます。そして慣習を変えるために必要なのは、「決心すること」ではなく。目標に対する具体的なイメージです。
「変わる」具体的な目標がない
変わろうと決心することは大事ですが、あなたはどういう風に変わりたいのでしょうか。「お金持ちになりたい」「人に好かれたい」「かっこよくなりたい」という漠然とした目標しか持ってないのでしたら、変わることは難しいでしょう。
「変わる」には具体的な目標が必要です。漠然としている「なりたい理想の自分」を、もう少し具体的にイメージすることで、変わることが出来る可能性が上がります。
たとえば、住むところ。都会のおしゃれな場所に住んみたいのか、それとも自然豊かな田舎で暮らしていきたいのか。
どういう職業に就きたいのか。雇われたいのか、フリーランスが良いのか、そもそも働きたいのか働きたくないのか。
どういう交友関係を作りたいのか、そういう週末を過ごしたいのか、どういうキャリアを積んでいきたいのか。結婚したいのか、子供はほしいのか。
どういうところに住んで、どういう仕事をして、どういう遊びをしているのか。漠然としたキラキラのイメージから一歩進んで、あなたの理想とする生活を具体的にイメージしてみましょう。
目標に至るための課題がない
もし、おしゃれな都会に住みたいとしましょう、仮に最近流行りの港区あたりに住むのが目標の一つなら、それを成し遂げるためには、あなたには何が必要でしょうか。
あなたが宝くじを当てた資産家ならともかく、まずは稼ぐことが必要になります。 家を買うにしてもアパートを借りにしても、まずはお金が必要です。
在宅で稼げるのなら場所の問題はありませんが、雇われ仕事となると、港区から通える範囲内で出来る仕事という条件がつきます。
また、港区の家賃相場を見てみると 1kで約11万円と、なかなかにお高いです。そうなると、年齢にもよりますが、一般企業の平サラリーでは少々心許なく感じます。そうなると仕事を選ぶ際には、平均よりも高い給料をもらえるという条件が加わります。
港区に住む。そのために、家賃を払えるぐらい稼ぐ。
だんだんと目標のイメージが具体化されてきます。
課題達成のための道筋がない
とりあえずで始めることも大事ですが、とりあえずのままにしては行けません。結果をコミットさせるためには、具体的な課題とそれの解決のための具体的な方法を見つけることが大事です。
ここがふわふわしたままでは、いつまでたっても目標に届くことはないでしょう。
具体的な目標=港区に住む
具体的な課題=家賃を払えるぐらい稼げる状態になる
あと必要なのは、課題達成のための具体的な方法です。
ここから、あなたの今の状態から考えれば自然と道筋が見えてきます。すでに働いているのなら、引っ越し、場合によっては転職が必要でしょう。まだ学生さんなら、そこを目指して就職活動や起業して、港区に住めるだけの稼ぎを手に入れましょう。
目標を具体的に見据えて、今の自分が、そこに至るための道程を自分で考えましょう。
変わるためのPDCAを回そう
具体的な目標、具体的な課題、具体的な方法。
目標に対してのアプローチは、ひとによって変わります。これといった絶対の正解はありません。まったく同じ目標でも、自分と別の人では、そこに至るまでの道筋が違うようなものです。
港区に住むにしても、都内住まいの人と、地方住まいの人では、条件がかなり違うでしょう。目標の難易度自体が変わってきます。その分の達成感も全く違うものになるでしょう。
変わるために、具体的な目標を設定し、それを達成する。
それによってどう自分が変わったのかを分析する。
人生のPDCA(計画し、実行し、検証し、修正する)を回し続けられた人だけが「変わる」事ができるのです。